西日本新聞のアナログレコード特集記事で、フェイスレコード福岡天神ワンビル店が紹介されました
8月3日(日)発売の西日本新聞の「アナログレコード特集」記事にて、フェイスレコード福岡天神ワンビル店の取材内容が紹介されました。
記事では、近年高まりを見せるアナログレコード人気やその魅力について、福岡天神ワンビル店飯島店長のコメントとともに取り上げられています。
以下、8月3日(日)付 西日本新聞より抜粋
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Fukuokaのミカタ
『レコード市場 じわり再燃』
― アナログの魅力 ファン拡大
福岡でレコード人気が熱を帯び始めている。福岡市・天神に4月開業した大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」では、九州初進出のレコード専門店がにぎわい、今年天神で開催された中古レコードの販売イベントも盛り上がりを見せた。音楽のデジタル化が進み、一部の愛好家が聴くイメージがあったレコード。「アナログ」の魅力が見直されているようだ。
プレーヤー販売も⤴
ワンビルの2階。ファッションブランドや雑貨店が並ぶ中、壁一面にレコードジャケットが提示された「フェイスレコード福岡天神ワンビル店」は独特の存在感を放つ。客層は老若男女さまざま。インバウンド(訪日客)も「1割程度」(担当者)を占める。往年のスターやアイドルから、若者に人気のアーティストまで、中古と新譜のレコードが所狭しと並ぶ。
「意外と安いじゃん」。10代のカップルはレコードプレーヤーの値札を見て声を上げた。店頭に積まれたプレーヤーは1万2000円前後。店によると、4月の開店から約3カ月間(4月24日~7月21日)で計150台が売れた。購入者は若者が中心という。
フェイスレコードは九州初進出となった福岡を含め、国内外の都市部で7店を展開。集客力のある商業施設に入っている店舗が多い。「レコード以外の買い物を目的に訪れた人にも興味を持ってもらいたい」と運営会社の担当者。従来のレコード店に多い路地裏や雑居ビルに比べると家賃は高いが、客層を広げて売り上げを伸ばす狙いだ。ワンビルテンの飯島英大店長は「もともと興味があった人、偶然立ち寄った人、懐かしさを感じて店に入る人、とお客さまは幅広い。レコード店の敷居を下げられている」と手応えを示す。
手間かかる作業が・・・
近年、レコード市場は右肩上がりで成長している。日本レコード協会によると、国内の生産枚数は2015年ごろから徐々に増加。新型コロナウイルス禍での「巣ごもり需要」が追い風となり、21年には生産枚数、生産額共に急伸。その後も増加傾向は続き、24年の生産額はレコードが主流だった1989年以来の70億越えとなった。
福岡でもフェイスレコードだけでなく、今年1月にはまちづくり団体などが天神の市道で中古レコードの販売イベントを開催。多くの客が訪れた。
甲南女子大(神戸市)の太田健二准教授(音楽社会学)は、レコード市場の活気の背景について「音楽の配信サービスとは違い、レコードは(実体がある)『フィジカルメディア』として人々の好きな音楽を所有したいという欲求を満たしている」と分析する。加えて、体験型の「コト消費」が重視される中で「レコードをケースから出してプレーヤーに乗せ、針を落とすという一見手間のかかる作業も一種の『儀式』のような体験として新たな魅力となっている」という。
期待も冷静な見方も
ワンビルから500㍍ほど離れた、福岡市・大名。一帯には地場のレコード店が集まっている。91年創業で、海外で買い付けたものも含め幅広いジャンルの中古・新譜レコードを取り扱う「チクロマーケット」の福田剛オーナーは、ワンビルのレコード店のにぎわいについて「こちらにも客足が流れてくればうれしい」と話す。
一方で冷静な見方もある。大名の「ボーダーラインレコーズ」は、約10年前、天神の商業施設イムズに出店したことがある。創業40年以上の歴史を持ち、福岡や九州初のインディーズ盤に力を入れてCDやレコードを扱う。それでも〝一等地〟での事業は簡単ではなかった。音楽の定額制サービスが本格化した時期でもあり、甫足正彦代表は「イベントを開いたり試聴スペースを設けたりしたが、賃料が高くて持たなかった。家賃の高い場所でやる商売ではない」と感じたという。約2年半で古巣の大名に戻った。
音楽を取り巻く環境の変化は目まぐるしい。CDを扱う店が減った影響で、同店では最近、CDを買い求める30~50代の客が増えた。テレビ番組での紹介を機に訪日客が伸びたことも。そんな中で変わらず続けているのは、音楽に関する小まめな情報発信。トレンドが移り変わっても、文化の発信拠点としてレコード店の役割は残ると甫足代表は考える。「どんな店が出てきても負けないように、強みは大事に持っておかないと」
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